バクテリアの交代・・・・・日鱗2006年6月号より抜粋

消毒を繰り返している期間中、粘っこい水質や泡立ちの状態は続き、水質悪化を敏感に捉えた愛鯉たちが、体表のヌメリを剥落とし、また剥がれた分どんどんヌメリを出し続け、その剥れ落ちたヌメリがアンモニアに変化していき、そしてこういった状態に陥った原因の根源である。
それが濾過バクテリアの交代であった。
バクテリアには低水温適応の冬バクテリアと、高水温適応の夏バクテリアがあり、春と晩秋の交代期なのだ。
その交代期が1年のうちで最も濾過能力が落ちる時期である。
ではどうすれば良いのか、もちろん水質改善である。
餌を切り、濾過槽(ウォータークリーナー)を洗い、新水の量を初日4割、2日3日目は3割、その後1週間は2割程度注水し続け、毎晩水質改善剤を多めに投入する。その結果3日目くらい泡立ちが消えた。


水質
水温変化による溶存酸素量と魚の基礎酸素要求量
水温 10℃ 15℃ 20℃ 25℃ 25℃
体重1kg/H 30mg 45mg 65mg 75mg 85mg
  (他誌) 9.76mg 8.8mg 8.11mg 7.53mg
鯉の酸素要求量(1kg)水温25度 75mg(1H)

水の硬度
1度  17.8mg
5度  89.0mg
6度 106.8mg
WHO(世界保健機構)基準
 1gあたり60mg未満軟水 60〜120mg未満中度硬水 120mg以上硬水
  (日本は地質の特性で軟水が主体)

水の硬度の測定方法・・・・・養鯉(日鱗1997年2月号より抜粋)
バケツに水を入れて2時間エアーレーション
PH上昇0.1〜0.3軟水 0.8以上硬水

軟水は一般的にミネラルが少ないだけでなく、きれいであり、長き滞留してもアオコや藻、病原性バクテリアが繁殖しにくいということである。
鯉の成育しやすい環境ということであろう。


餌 (少)水質良好  生育不良
  (多)水質劣化  生育良  死亡やや多

中度硬水やミネラルの多い水だと、どうしてもアオコが発生しやすい。
中度硬水で飼育する場合は、餌の量や新水の入れ替え、また濾過槽等に充分配慮が必要である。

餌  (少) 水質良好    生育良好
   (多)水質きわめて劣化  生育良好  死亡危険性大

参考
ちなみに我が家の池は中度軟水です。