穴あき病臨床例−2(65cm紅白)  月間錦鯉掲載
 2002年8月10日、東京都東村山市美住町の小山繁男さんの池から65pの紅白を預かって帰った。そのとき、右体側部が子供の掌ぐらいの大きさで腫れて肉が盛り上がり、周辺の鱗が立って既に何枚か脱鱗しているような状態。穴あき症状であり、放置すれば傷が拡大して死に至ることは明らか。直ちに、乾燥南天による薬浴を開始。
8月10日 この写真は薬浴を始めてから7時間を経過したものであり、もうこの時点で腫れがかなり引いている。(薬浴の前に傷みのひどい鱗を
2〜3枚抜いたが、残念ながら、このときの最も重篤な状態の撮影には失敗)
8月14日 すっかり腫れがひいて、部位も縮小。赤色がこのように茶褐色に変わるのは快方に向かうきざし。
 ただし、14日、尾鰭と手鰭少し症状が出たので、15日に水換えし、枝つきの乾燥南天を投入。しかし、この鯉はこれまでの例とは異なり、このあとも
なんとなく体側部の治りも遅かった。
 そこで、8月24日、再び水換えし、袋入りの乾燥南天を入れたところすぐに良くなったので、26日に池に放した。
9月9日 上からではそれと言われてもわからないくらいで、ほとんど痕跡が認められない。
2003年1月4日 30t池で元気に泳いでいる。
8月10日、小山繁男さんの池から持ち帰った65p紅白には、上記症例のほかに@のような傷もあり、即日薬浴を開始。4日目の8月14日には既にAのようになった。
 このような例から南天の葉には単なる殺菌作用だけでなく、組織の再生能力もあるのではないかとみています。

小山繁男さんのお話
 65pの紅白はひどい状態でしたから、仮に助かってもケロイドのようになるはずだから、鈴木さんに「あげるよ」と言ったんです。
 途中で一度見たときはだいぶ良くなっていましたが、9月にはすっかり治っていました。いや、おどろきました。