私のアクティブライフ 2016年
 その97 越中八尾 おわら風の盆
2016年9月
 一度は見たいと思っていましたが願いが叶う時が来ました。旅行会社の話では3日は最終日のため、あまり混まなくてゆっくり最後まで見られるような話でしたが、最終日は土曜日で最高に混むと変更されました。
 大手旅行会社ですが簡単なミスですね。ホテルには午後5時に着く予定(余裕)でしたたが高速道路では5台が絡む事故があり、上信越道坂城インターで高速から降ろされてしまいそうです。事故処理はコーン数本を片づければ終わりのようです。
 私たちが乗ったバスがあと数分遅ければ高速から降ろされずには済んだようです。バスのドライバーも事故処理が早く終わる事に賭けていたようですが駄目でした。
 バスが本線から外れて間もなく作業員が最後のコーンを持ち私たちのバスの脇を通リ過ぎます。この時国道18号線は大渋滞でバスは目前のインターからも出られずに止まった状態です。たぶん本線では車は走り出したと思いました。
 大変な時間をロスしました。バスは北陸自動車を走っています。車窓から45年近く前に走ったことがある国道8号線と思われる道路の脇に数件の民家が見えます。
 当時、大型トラックなどすれ違いは大変でした。舗装などされていなくて穴だらけ、ほこりだらけの道路だった覚えがあります。親不知、子不知、辺りだったと思います。
 45年近く前の魚津付近の海岸です。立山連峰から流れ込む川からこの海岸に宝の石(ヒスイ)が流れ込むので「拾えば?」と地元の方に言われた覚えがありますがたぶん拾えなかったと思います。
 この時間にはバスはホテルに着いていたはずです。 富山湾に沈む夕日を見ながら昔来た時の事を思いだそうとしましたがうまくつながりませんでした。歳ですね。バスは目的地に向かい走り続けます。
 1時間30分遅れでホテルに着きました。ヤギと煙と馬鹿は高い所が好きだと言いますが、私も高い所は好きです。15階から富山市内です。
 私は以前から説明書など細かく読むのが好きでなく、今回の旅行もパンフレットの表紙の一部を読んだだけで申し込んでしまいました。
 ホテルに着いて荷物を部屋に置き、電車で会場まで向かうのも申し込んだ時点では知りませんでした。
 電車で富山駅から高山本線で八尾まで向かいます。駅構内では涼しそうな姿の綺麗なお姉さんが出迎えてくれますが構内はただ蒸し暑いだけでした。
整理券まで渡され、高山本線で20分くらい掛かるそうです。
今日は疲れそうです。
 八尾の駅に着くと自由に動けないほどの混みようです。数えきれないほどの露店が並ぶ中、人の流れに押されて目的地です。不勉強で来ましたので何が何だかわかりません。遠くから見る舞台のような所ではすでに踊りが始まっていました。
 おわら風の盆は11の地区団体がそれぞれの場所で踊るそうです。
 これから流し踊りが始まりそうです。この様な場所では踊り出すのを皆さんが場所取りをして待っています。
 いよいよ始まりました。越中おわら節の旋律と胡弓、三味線、太鼓の哀愁おびた音色が漂うなか坂の町で流し踊りが始まりました。
 甲高い声のおわら節も胡弓も三味線も太鼓もすべて生でした。哀愁という言葉がぴったりです。
 色々な所で踊られています。編み笠をかぶりお揃いの浴衣で輪になって踊る輪踊りも見ることができました。繊細な指の動き足の運び方、編み笠を深くかぶり見えるのは白い肌にうなじ。なんとも言えない艶やかさに魅了されてしまいました。
 編み笠の中がどうしても見たいと思っていました。少し遠くに目を向けた所、編み笠をかぶらない踊り子さんが踊っていました。これはチャンスだと回ってくるのを待っていましたがどこかへ消えてしまいました。 
 見えたのはやや太めの後ろ姿だけでした。もしかして踊り子さんのOBでしょうかね。
 数か所の踊りを見させて頂きました。今夜は時間が経つのが非常に早かった気がします。富山へ戻る電車も残り数本。帰りの電車も混むと聞いています。早めに駅に向かう道でも輪踊りが踊られていました。
 輪の中央では一坪くらいの簡単なやぐらの上で叙情豊かに気品高く大変に綺麗と思われる女性と大変なイケメンと思われる男性が観光客の目を引いていました。最後まで編み笠の中は拝見できませんでした。
 おわら踊りは二百十の大風をおさめ五穀豊穣と永世の繁栄を願う為のものだそうです。
 素晴らしいものを見させていただきましたが現実にもどります。来た時は身動きが取れなかった八尾の駅ですが最終電車に近い為かほとんど観光客の姿はありませんでした。警備の方も少なくなり警備本部のテントの中も数名がいるだけです。
 八尾に着いた電車ですが降りる方は数名でした。この駅の現実の姿を見たような気がしました。
 この地方では夜9時頃になるとほとんどの飲食店は営業を終えるそうです。私が住んでいる方面とは随分違います。
 私たちが宿泊した「ANAクラウンプラザホテル」ですがビジネスホテルとはやはり違いますね。
 2日目は飛騨の白川郷に向かいます。今年も豊作のようです。
 実入りの良い稲穂が頭を垂れています。この地方の作物はすでに収穫の秋を感じ始めているようでです。
 白川郷らしい合掌造りです。外装などの修理には難しい条件が付くそうですが内装は自由だそうです。ただし、外装の修理などでも色々基準があり、補助金も渋られるそうです。
 白川郷では合掌造りの古民家を利用しての宿泊施設が増えたような気がします。この古民家で何組が宿泊できるのかはわかりませんが、生活様式のまるで違う国の方と一緒になったら、つらい一晩になるでしょうね。
 昼食は飛騨特産の美味しいお蕎麦をいただきました。
 5年くらい前に来た時、この店の店内で写真を撮ったところ「シャシンノーノー」と言われた店で買い物をしました。色々な土産店などで写真は撮りますが、写真は駄目だと言われたのは初めてでした。その時の婆さん店員の姿はありませんでした。「昇天」の文字が頭に浮かびました。
 白川郷を出て帰路につきます。一般道を松本方面に向かいますと山の間から大きな橋の橋脚がいきなり見えて来ました。
 国道158号線の脇にまた橋脚がいきなり見え始めました。この国道は何度も走っていますが便利になりそうです。
 橋脚は松本まで一直線の中部縦貫自動車道の物のようです。松本までは現在3時間くらい掛かりますが随分早く行けるようになりそうですね。
 アルプス街道平湯温泉です。この建物も進化をし続けているようです。昔は物置小屋のようでしたが日帰り温泉施設もでき、多くの観光客が立ち寄るようです。
 標高は1000mくらいですが高速道路が開通しますと下道(国道)にあるこの施設は素通りされる可能性も考えられますね。明暗も色々ですね。
 甲府盆地に近づいて来ました。バスは良い排気音を響かせて走ります。日曜日ですが流れは良いようです。このまま進めば帰宅時間は予定より大幅に早くなりそうです。
 良い気持ちでいたのは甲府盆地に入りわずかの距離でした。バスが急にスピードを落としました。事故のようです。
 事故の先頭はどこかわかりません。長い帰路になりそうです。今回のバスは最近燃費問題で世間を騒がせているメーカーの最新型バスだそうです。エアコンを調整しても希望の温風、冷風は出て来ません。日本製のバスとは思えないほどの出来具合です。
 乗客からエアコンの不具合を訴えられますが、ドライバーにはどうにもならないようです。そんな時添乗員がマイクを持ちました。バスで合格点の高いのは日野その次がいすゞ 今回のバスメーカはトータルでは完成度が低いそうですとドライバーを援護していました。
 渋滞は2時間におよびました。行も帰りも事故渋滞 普段 運転しつけないペーパードライバーがこの様な時に乗り出し事故を起こす事が多いそうです。
 「おわら風の盆」は今回で3回目という方(日の出町)と知り合いその方に案内していただきました。カメラが趣味でプロのような大きなカメラを持ち色々な場面を写真で残しているそうです。「おわら風の盆」は男女を問わずリピーターが多く毎年来るという方もいるそうです。
 今回は事故渋滞などでのんびり見られませんでしたので、もう一度来てすべての地区を見たいと思います。過去に感じた事のない秘めた感動も味わいました。